このたび、第38回日本臨床モニター学会総会の会長を拝命し、2027年4月24日(土)、25日(日)の2日間、富山国際会議場において本学術集会を開催させていただくこととなりました。このような大役をお任せいただきましたことを大変光栄に存じますとともに、学会員ならびに関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
日本臨床モニター学会(Japan Association for Clinical Monitoring:JACM)は、医療現場におけるモニターの開発と普及、そして臨床モニタリングを通じた医療の安全性と質の向上を目的として、1990年に設立されました。以来、患者の状態をより正確に捉え、より適切な治療につなげるため、さまざまな診療領域と職種が集い、知識と技術を共有する場として発展してまいりました。
臨床モニターは、単に生体情報を数字や波形として表示する装置ではありません。そこから患者の小さな変化を見いだし、病態を読み解き、次に起こり得る事態を予測して、適切な判断と介入につなげるための重要な手段です。モニタリングとは、患者を「観る」ことに加え、得られた情報の意味を考え、その人にとって最善の医療を選択する営みであると考えます。
近年、モニタリングを取り巻く環境は大きく変化しています。非侵襲的・非接触型センサー、ウェアラブルデバイス、遠隔モニタリング、複数の医療機器から得られる情報の統合、人工知能を用いた解析や予測など、新たな技術が次々と臨床現場に導入されつつあります。一方で、情報が増えれば増えるほど、何を信頼し、どのように解釈し、どのタイミングで行動するのかという、人の判断の重要性は一層高まります。技術の進歩を患者の利益へ確実につなげるためには、機器の性能を論じるだけでなく、その情報を臨床の意思決定にどのように生かすかを、多角的に検討する必要があります。
本学術集会では、麻酔、集中治療、救急医療、循環器、呼吸器、周産期医療をはじめとする幅広い領域から、臨床モニタリングに関する最新の知見を持ち寄っていただきたいと考えております。また、医師、歯科医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、研究者、医療機器開発者、企業関係者など、多様な立場の皆様が垣根を越えて議論し、新たな発想や連携が生まれる場となることを願っております。完成された技術や研究成果のみならず、臨床現場で感じている疑問、開発途上のアイデア、若い研究者や医療者による意欲的な発表も、広く歓迎いたします。
会場となる富山国際会議場は、富山城址公園に隣接し、立山連峰を望む富山市中心部に位置しています。雪解けを迎え、草木が芽吹く春の富山で、臨床モニタリングの現在を見つめ、その未来について語り合う2日間にしたいと考えております。
多くの皆様に富山へお越しいただき、活発なご発表と議論にご参加いただけますことを、心よりお待ち申し上げます。
2026年7月23日
第38回日本臨床モニター学会総会会長 高澤 知規 富山大学医学部麻酔科学講座